商品の在庫数やレジ内の収支が合わない―――、明らかに内部犯行であっても、共に仕事をする従業員との信頼関係を壊したくないと願う経営者は多いのではないでしょうか?ですが現実に不正が行われることも悲しいながら発生するのも事実です。
ここでは2つのケースを取り上げました。防犯カメラの役割を改めて考えてみませんか?
内部犯行 1 ~レジスタッフによる不正
「売り上げのお金が毎月のように抜き取られています。誰がやったのか分かりません。」そう話すのは、某飲食店でエリアマネージャーを任されているEさんです。
レジの売上が盗まれている
相談者 | 30代男性 飲食店のエリアマネージャー |
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相談内容 | 社員の不正を監視したい |
Eさんの勤めている企業は、数は少ないものの全国展開している飲食店。大学生の頃からバイトを続け、大学を卒業すると同時に社員として雇用されました。
のちに地区の店舗すべてを統括するエリアマネージャーにまで昇進。Eさんの受け持つ地域は、どこも立地条件が良いところばかりで、忙しくとも遣り甲斐を感じているのだそう。
勝手知ったる地域で安心して責任感ある立場として勤めていたMさんでしたが、ある事件が起きたのです。それは、とある店舗の売上金が毎月のように無くなるということ。
それを知ったのは経理担当からの報告。「毎月の決算の際に明らかに収支が合わない。どうしたものか…。」という内容でした。
その店舗の近隣には、他にも飲食店がいくつもあります。また、オリジナル商品が置いてある雑貨屋、老夫婦が営む和菓子屋などと、独自性がある店が並んでおり、古い物から新しい物とがバランスをとりながら活気を保っている地域ということから、その店舗の売上げは非常に良いといいます。
しばらく様子を見ましたが、定期的に1万円ほど無くなっていることが判明したと、頭を悩ませているEさんの姿がありました。
内部犯行は犯人特定が難しい
その店舗には、正社員が3名、そしてバイトが18名が働いています。この中に売上金を盗んだ犯人がいるということは明白でした。
しかし、それぞれが「やっていない」とのこと。
犯行に及んだのが内部者だと、いつどのタイミングで盗まれているのかは、人数が多いだけに特定するのが難しい現状があります。
近年、SNSなどでバイトどころか社員による悪質動画が問題視されています。勤務態度が全体的に低下している世の中なのかもしれません。
レジの売上金を盗む行為は、立派な犯罪です。特定できないとなれば、立証できる確かな証拠が必要です。バイト時代から働いているということもあって、社員はもちろんバイトも1人1人信じたいという気持ちがあるEさんですが、どうしても疑念を抱いてしまいます。
義務ではないことが盲点
その店舗の従業員は皆モチベーションが下がり、段々と売上が落ちてきました。それぞれが窃盗の容疑者として疑いをかけられ、その状況で仕事をしているからです。ギズギスした空間で、小さなミスやトラブルが増えたのでした。
これまでは、しなくてはいけない防火対策はしていたものの、しなくてもよい防犯対策は外部からの犯行に対してしか考えたことが無かったため、その盲点を突かれたという形になりました。
内部犯行 2 ~倉庫内にある商品の紛失
「ここ最近のことですが、スーパーの倉庫にある商品の在庫数が合いません。」やりきれない表情で話したのはスーパー経営をしているGさん。
倉庫から商品を…持ち出し?窃盗?
相談者 | 60代男性 スーパー経営者 |
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設置目的 | 従業員が倉庫の在庫を無断で持ち帰ることを監視したい |
どこのスーパーもそうですが、商品を店頭に出す前に商品を保管しておく倉庫があります。Gさんの経営するスーパーも例外ではありません。
仕入れた大切な商品は、スーパーに続く倉庫に保管しています。ですが最近になってレトルト食品やビールなどのアルコール類などの数が合わないことが多発していると、従業員から報告を受けたというGさんです。
店内と通じている倉庫ですが、従業員も多数いるため客が勝手に入れる余地はありません。多発しているということから内部の犯行だと思ったといいます。
スーパーとしては厄介な事態です。職種上、常に万引き犯と戦っている一方で、働いている側で手癖が悪い人間がいたとなると経営が成り立たなくなります。
従業員のことはあまり疑いたくないというGさんですが、倉庫という状況のもと、どうしても疑わざる得ません。
内部の人間による犯行の可能性大
パート従業員がGさんのもとへ報告しにきたそうです。同じ時間帯に働く社員が、倉庫にあるビール缶を私物だと思われる鞄に入れてロッカー室に小走りで向かったと…。
その様子から、自分で購入したものでなく倉庫から持ち出したものではないか?ということでしたが、証拠がないのでなんとも追求できないということでした。
防犯カメラは犯行の抑止力に
従業員を信じたい思いと、抱いてしまう疑心の念。その葛藤に苦しのは経営者側の人間です。いつまでも収支が合わずにいたら経営に影響が出てしまいます。商品が無くなる理由を探し出さなくてはいけません。
費用はかかりますが、犯行に及んだとしても映像が立証でき、それ以前に犯罪の抑止力にもつながります。また、従業員としても疑われることなく安心して働けることでしょう。
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