最近、老人ホームなどの介護施設や障害者施設での利用者虐待のニュースを目にすることが多くなりました。防犯カメラを導入することで、利用者への虐待という犯罪を抑止できる効果も期待できますが、プライバシーの侵害になるのでは?という疑問も生じます。
ここでは、介護施設に防犯カメラを設置し監視する目的について解説します。
不特定多数の出入りを記録できる防犯カメラ
老人ホームなどの介護施設は、利用者の家族なども訪れることもあり、人の出入りが多い場所です。職員が利用者の家族の顔、その全てを把握するのは現実的には難しいでしょう。
出入り口に防犯カメラをすれば、画像は一定期間記録ができるので、どの人がどの利用者の家族か、あとから確認できます。
また、出入り口に防犯カメラを設置すれば、不審者の侵入を防ぐのは当然ですが、利用者の動きも監視できます。
要介護の利用者の中には、勝手に施設から出て徘徊してしまう人もいます。職員が目を離した隙に、また夜中など、いつ外へ出てしまうか分からず危険な状態にさせてしまう可能性もあるためです。
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介護施設に防犯カメラを設置するメリットと問題点
防犯カメラが人ホームなどの居住型介護施設で導入されるケースは増えています。介護職の人数は圧倒的に足りず、利用者は増えるばかりの現状があるのが事実だからです。
一人一人の負担が大きいという介護職。職員たちの負担を少しでも軽減させるためにも、こうした居住型介護施設で、防犯カメラは”監視するカメラ”としても活用されているのです。
不測の事態にも早急に対応できる
居住型の介護施設の場合、夜中でも不測の事態に対応出来るように、職員が夜勤で働いています。ほとんどの利用者が寝ているとはいえ、いつ何が起きるかわかりません。夜勤の場合少数人で任されることが多く、利用者の居室を見回る労力も大変なものです。
でも利用者の居室に防犯カメラを設置して監視することにより、職員が別の部屋にいても、モニターで各利用者の様子を同時に見られます。
ベッドから落ちてしまったり、トイレへ行こうとしたらつまづいて転んでしまって起き上がれない。そういった不測の事態でもすぐ対応できるので、利用者の安全を守るためにも、防犯カメラを設置して監視するというのは効果を発揮します。
プライバシーの侵害にあたる?!
利用者の居室に防犯カメラを設置することで、監視されているという気持ちになる人もいます。防犯カメラを付けることで問題になるのが、プライバシーの侵害にあたるか否かという点です。
いくら介護が必要な状態であっても、自分の部屋が常にカメラを通して見られていることは、決して気持ちの良いものではないでしょう。
居室に防犯カメラを設置することを
- プライバシーの侵害
- 安全対策として必要なもの
2択の内どちらを取るか、利用者へのケアも考えながら、介護施設の方針として判断する必要があります。
職員のサービス向上にも
介護施設に防犯カメラを設置することで、施設の管理者が職員の勤務態度や利用者への対応の仕方などを確認することにも役立ちます。
- 利用者に対して不適切な言動をしていないか?
- サービスはきちんと行われているか?
- 虐待につながるようなものはないか?
さまざまな観点から見ることができます。
施設の管理者は、利用者への安全を提供すると共に、職員のサービスの向上や人材育成を行う必要があります。防犯カメラを設置すれば、両方の問題を解決する手助けになります。
コンビニや商店街、スーパーなど様々な場所に設置されている防犯カメラ。介護施設では、監視カメラとしてその能力を発揮します。監視カメラという表現は聞こえは悪いといえども、その目的は利用者の安全を確保し、職員の負担を軽減すること。
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