不特定多数の人々が利用するホテルや旅館。そういった空間には、多額の金銭や貴重品が存在するのは必然的なこと。
そのような点から、ホテルや旅館は窃盗や置き引きなどの犯罪が多発する場所です。しっかりとした防犯対策が必要となってくるのは言わずとも知れたことですね。
ホテルで考えられる犯罪被害
出張に出向いたサラリーマンが利用するビジネスホテル、観光に音連れたレジャーホテル、街ゆくカップルが愛を育むシティホテルなど、ホテルにはたくさんの人々が集まり、さまざまな目的で利用します。ですが、その分だけ金銭や貴重品など大切な物品がたくさん集まりやすく、犯罪に巻き込まれることが多い空間です。
置き引き
まず、よくあるのが置き引き。ほんの一瞬目を離しただけで、荷物が無くなっているという事例はホテルではたくさんあります。
置き引きはホテルに限らず、レストランや空港など旅行などに関連する施設では発生率が高くなります。
盗難
盗難もホテルでは起こりやすい犯罪の1つです。ホテルの鍵を付け忘れたりすれば、盗難のターゲットになってしまう確立は高いと言えるでしょう。
海外のホテルでは強盗なども考えなければなりません。日本は世界でもまれにみる犯罪が少ない国家である分、他の国に行けば強盗などもより直接的な犯罪に巻き込まれる危険性は十分にあります。
銃を見せびらかすだけで誰でも恐怖を感じるという点から、銃の所持などが認められている国ですと、強盗に遭う危険性は非常に高くなります。
以上のように、ホテルでは置き引き、物品の盗難や強盗などに注意しなければなりません。
「ホテルに宿泊する=裕福」とみえてしまう点からも、犯罪のターゲットになる確率は上がるといえます。ホテル側は防犯を意識した経営を築くことが大切です。それと同時に、客の立場としても防犯意識を持つことは重要です。
ホテルでの防犯対策、代表格は?
ホテルでの防犯対策を考える際、代表的なのが防犯カメラ。これは誰もが思い浮かぶことでしょう。ですが、この防犯カメラもむやみに設置しても効果は得られません。
むしろ何台も露骨にカメラが着いていると、返って犯罪に遭いやすいからたくさんついていると思う人もいるのではないでしょうか?また、プライバシーを映すことにもなるので、信頼度が低下する可能性もあります。
防犯対策としてカメラを設置する場合は、いくつかの注意点が必要です。
なるべく最小限の設置に抑える
あくまでも防犯カメラは、犯罪防止のため。ですので、自ずと設置すべき個所は限られてくるはずでしょう。
人がたくさん集まる場所や貴重品などを預かる場所などにピンポイントを置くことが基本となります。もちろん、入浴設備や客室などにカメラを設置する必要性はありません。
カメラが作動中であることを示す
カメラが作動中であることを明示しましょう。これは客にしっかりと認識してもらい隠し撮りにならないようにするためです。
カメラの運用者と責任を明確にする
カメラはただ単に設置すればよい訳ではなく、しっかりと運用者を決めておかなければなりません。また、万が一カメラを悪用した場合、その責任についても明確にすることが必要です。
ホテルでの防犯対策のまとめ
金銭のやり取りがあるフロントや、手荷物やコートなどを預けるクロークなどでの防犯意識。館内での人の目が行き届かない箇所での防犯意識。不特定多数の人々が利用するホテルや旅館では、経営側そして利用者側と、両方の観点から防犯への意識をもつことが大切です。
どのような理由があれこそ、置き引きや盗難の発生率が高いとホテル自体の評判がダダ下がりになるはずです。従業員一人一人が用心して業務に携わる必要があるでしょう。もし行動に不審のある人物が客として現れたら、不用意に呼び留めることはできないにしても、注意して接することが犯罪を食い止める策でもあります。
IT社会である現在、これからのホテル経営は、よりシステム化されていくことが予想されますが、やはり人の目というものは度外視できません。犯罪の抑止力、そして映像データとして記録できる防犯カメラの利用は得策ですが、従業員一人一人が持つ防犯への意識と行き届いたサービス。これらが合わさったときに、ホテルとしての格もあがるでしょう。