小さな子どもが集団で過ごす場所、幼稚園や保育園。笑顔の絶えない一日を過ごして欲しい親の願いとは反対に、時に犯罪の現場となる恐れがあることも否めません。
子どもたちが、安心安全に過ごすには、どのような防犯対策がとれるのかを考えていきましょう。
小さな子どもを狙う犯罪目的とは
子どもをターゲットにした殺人事件や誘拐事件が起こるたびに、たとえ地域が違うといえども母親たちの間で話題にのぼることでしょう。実際に殺傷や誘拐などの痛ましい事件が発生するにつれて、園はもとより小中学校でも施錠が当たり前になり、関係者以外は簡単に立ち入ることができなくなりました。
園庭やグラウンドなどはそこまでの強化はできないものの、いつでも誰でも自由に出入りできるという幼稚園や保育園、小中学校は、かつてに比べると少なくなりました。
犯罪者が小さな子どもが集まる場で起こす事件。小さな事件から大きなものまでさまざまですが、小さな子どもを殺傷したり連れ去ったり、時には痛ましい事件として報道されます。
金品目的とは全く違う犯罪。まだ精神年齢が幼いからこそ、急にそのような場面にでくわすと、思う通りの行動はできなくなるでしょう。犯罪者にとっては格好の餌食になるのかもしれません。
時代を重ねるごとに国ぐるみで防犯対策に取り組んでいますが、なかなか根絶つことができないのは犯罪です。
犯罪は部外者だけではない
園児や児童を狙う犯罪は、最も防ぎたいものです。
殺傷、性犯罪、連れ去り、放火など、思い浮かぶ犯罪は多々あり、それらは大人が遭遇したとしても恐ろしいもの。それが弱い存在である子どもとなると、あらゆるリスクを抱えてしまうでしょう。時間が経っても忘れないトラウマになることも否めません。
少子化が進む一方で、子どもを狙う犯罪は急増しているといいます。
幼稚園や保育園、小中学校では、部外者は基より教師による強制わいせつや体罰なども、悲しいことに起こっています。どんなに防犯対策をきちんと行っても、そうした危険が潜んでいるということを、各関係者はそれぞれ心に留めておかねばなりません。
近年では、情報の流出も犯罪につながりかねないため、厳重な管理が必要とされています。
イベント時の様子、買い物途中の我が子、友達同士で遊ぶ公園など、SNSの情報は犯罪者の有力な情報につながります。一日の流れを掲載している幼稚園や保育園、小中学校のサイトも数多くあります。
ですが、どこに通園していているのか?一日をどのように過ごすのか?犯罪者にとっては、死角になる時間や場所を探る手ががりになってしまうのです。
防犯カメラは夜間の犯罪抑止にも
防犯カメラの普及は進んでいるものの、欧米諸国に比べると多いとは言えません。13 歳まで1人で出歩くと保護の対象になるアメリカなどでは防犯として自然でも、日本では、それを監視と捉えてしまい、子どもを防犯カメラで常時撮影することに違和感を覚える大人も少なくないのです。
実際、とあるインターネット調査では、約 7.5%の大人が幼稚園や学校の防犯カメラの設置に「抵抗がある」と答えています。これは、同調査の駅や繁華街の設置に「抵抗がある」とした返答から 5%以上も上回っていました。
いろいろな理由でためらわれがちな防犯カメラですが、何かあってからでは遅いと設置する施設もあります。防犯カメラを付ける意味、安全性など理解してもらうなど、保護者の不安をなくすための取り組みを行う園もあるといいます。
防犯カメラで撮られたライブ映像の公開に「お遊戯会の様子を遠くのおじいちゃん、おばあちゃんに見せてあげよう。」というような付加価値をつけ、遠隔地での子どもを見守ることを、より身近なものにしているのです。単なる監視のためではなく、多くの目で子どもを見守るために防犯カメラを有意義に使っているのです。
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園や小中学校での防犯対策の現状
ほとんどの幼稚園や保育園、小中学校が施錠をすることを心掛けていますが、そのうえで防犯カメラの導入を進めるなど、普及が進んでいます。
導入するにあたっては、出入り口や教室のみならず、人の少ない場所や通りに面している場所にも設置が必要と考えられているようです。リアルタイムで子どもを見ることも目的ですが、夜間時の防犯対策にもつながります。
犯罪のターゲットは、必ずしも小さな子どもだけではありません。
実際に、北海道で幼稚園・保育園ばかり十数件を狙った窃盗事件もありました。「夜間は無人で侵入しやすく、意外に金があった。」との犯罪者の供述のとおり、窃盗犯の多くは夜間に人がいなくなる施設ばかりを狙う傾向にあり、園や学校も対象となるそうです。
日常業務で現金を取り扱わない施設は、保管されたわずかな現金が犯罪の対象であるという意識が低くなりがちです。侵入しやすく管理があまい、これは窃盗犯にとって格好の条件です。
この事件で盗まれたのは事務室に置かれた金銭でしたが、それ以外にもパソコンや楽器など、転売すればお金になるものも多くあるため、幅広い注意が必要です。犯罪者はいつでも、人々の盲点を狙っています。
昼夜問わず、何度もうろつく不審者はいないか、夜間は侵入検知センサーなどと併用し、近づく犯罪の影を少しでも早く見つけることが大切です。
下校途中にも狙われる犯罪
園での送迎は、保護者とともに行われるので危険性は少ないかもしれません。ですが、小学校に上がった地点で登下校はそれがなくなる子どもが大半です。必然的にそこを標的にする犯罪の危険度が上がります。
防犯ブザーを持たせる学校は多いものの、いざ犯罪に直面したときに、子どもがどこまで対処できるか分かりません。
防犯カメラが犯行の証拠になる
そのようなときに、登下校途中に防犯カメラがあれば、犯罪の証拠となります。
一昔前は、街中に防犯カメラを付けたら監視されているみたいだと賛否両論がありました。ですが、いまそのような気持ちを持つ人は少ないのではないでしょうか?
犯罪者にとって防犯カメラは監視でも、善良な国民にとっては見守りの役割を担ってくれてるといっても過言ではないでしょう。
中には実際の映像を載せ、安全面や実際の園の様子を広告しているものもあります。高性能な防犯カメラの設置状況は、保護者の安心に直結するようです。近年では、防犯カメラのライブ映像を、インターネット環境のある家や外出先で保護者たちが見られるサービスも増えており、園の透明性が重視されています。
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防犯対策で必要なこととは?
子どもたちを犯罪から守るためには、犯罪が発生しやすそうな場所や時間帯を把握することが大切です。
カメラやブザーなど、防犯対策を意味のあるものにするには、園や学校の各関係者だけでなく、保護者、そして子ども自身も気をつけなければいけません。それぞれ意識徹底が必要です。
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